
■ 金星食の予報 ■
観察のポイント
今回の「金星食」は、たいへん細いながら月の明るい側から金星が潜入していき、月の暗い側から出現します。
この時の金星は地球からもっとも離れている時期に当たります。
金星は地球に近い時期には、半月や三日月形に見えますが、この時の金星は小さな丸い斑点状にみえるはずです。
その理由を考えてみましょう。
金星の実際の大きさはちょうど地球と同じくらいです。
一方、隠す側の月は地球の直径のわずか1/4程度です。大きさの違いから距離の差を実感してみましょう。
金星は小さいながら面積をもって見えていますので、潜入や出現には30秒程度の
時間がかかります。徐々に隠されていく(または出現してくる)金星の様子から月の運動の速さを実感しましょう。
各地の予報
| 地域名 | 潜入時刻 | 潜入に要する時間 | 出現時刻 | 出現に要する時間 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 14h04m49s頃 | 33sec | 15h10m28s頃 | 30sec |
| 仙台 | 14h02m38s頃 | 29sec | 15h19m37s頃 | 26sec |
| 東京 | 14h00m51s頃 | 29sec | 15h21m56s頃 | 25sec |
| 大阪 | 13h55m08s頃 | 31sec | 15h20m12s頃 | 26sec |
| 福岡 | 13h46m24s頃 | 32sec | 15h16m26s頃 | 27sec |
| 鹿児島(川内) | 13h46m46s頃 | 33sec | 15h16m37s頃 | 28sec |
| 那覇 | 13h45m41s頃 | 41sec | 15h08m54s頃 | 34sec |
■ 鹿児島での見え方 ■
鹿児島における、金星食潜入の頃の太陽と月の配置です。
自宅で観測される場合(手動で導入する)には、赤道儀を使って太陽の位置から金星の離角を計算して導入する必要があります。
参考データ 太陽と金星の位置(於:鹿児島/潜入時) 太陽 赤経: 04h 22m 30.2s 赤緯: +21°33'00" 方位: 248°44'23" 高度: +67°16'35" (地平大気差考慮: +67°16'59") 金星 赤経: 02h 53m 42.1s 赤緯: +15°07'39" 方位: 258°32'18" 高度: +45°52'51" (地平大気差考慮: +45°53'48") 太陽 から金星の位置 離角: 22°00'13" 位置角: +256°47' 赤経差:01h 28m 48.1s = 22.200° 赤緯差:06°25' 21" = 06.423°
星の子館 (兵庫県姫路市):インターネット中継を行うサイト、全国の観測会の情報など総合的に紹介されています。
国立天文台天文ニュース「5月29日に白昼の金星食」
アストロアーツ社 「特集 2003.05.29 金星食」